引っ越しにはあたり、ある程度まとまった資金が必要が必要になります。その際、手持ちの株式・投資信託をどう活用するのかがいいのかを考察します。
資金調達の方法
地方に住居を構えるからといっても、都会での対応を特別な変わりはありません。一般的には、以下の組み合わせで資金調達することになります。
- 借り入れ
- 住宅ローン
- 親族・知人からの借り入れ
- 自己資金
- 普通預金
- 定期預金
- 投資信託
- 株式・債券
定年やテレワークなどで地方移住を考えている場合、ある程度、投資信託や株式などで資産形成されている自己資金をもとに計画されている場合があるかと思います。
このページでは投資信託への付き合い方について説明します。
投資信託とは
詳しいことは、Google先生に質問してもらうとして、一般社団法人 投資信託協会のサイトには以下のように記載されています。簡単に言えば、自分で株式・債券を運用するのではなく、投資のプロに運用を委託した資産になります。
「投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品で、その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みの金融商品」
一般社団法人 投資信託協会 https://www.toushin.or.jp/investmenttrust/about/index.html より抜粋
資産運用については、ドルコスト法による投資とか分散投資、各種手数料など知っておいたほうがいいことは多数ありますが、資金調達で覚えておくべきことは、手数料と税金についてです。
投資信託でかかる税金
2023年2月26日時点で、投資信託の解約(換金)でかかる税金は、20.315%となっています。
これは、資産に対してではなく、利益に対してです。
例として、100万円で購入した投資信託商品を120万円で売却したとします。
その際にかかる税金は、以下の計算式の通りで、40,630円となり、実際に手元に戻るのは1,159,370円になります。
(120万円 – 100万円) × 20.315 %
= 20万円 × 20.315 %
= 4万630円
実際には、信託財産留保額なども手数料が発生するので、上記金額よりもさらに下がる可能性があります
そのため、解約時には、額面よりも少ない額になる可能性がありますので、注意しましょう。
NISAとは
投資信託などですでに資産運用をされている方はご存じの方が多いかと思いますが、投資信託や株式での売却益に対して、非課税になる制度があります。それがNISAです。ただし、NISAが利用できる枠は制限があります。
NISAは、「NISA口座(非課税口座)」内で、毎年一定金額の範囲内で購入したこれらの金融商品から得られる利益が非課税になる、つまり、税金がかからなくなる制度です。
金融庁 https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/index.html より抜粋
100万円で購入した投資信託商品をNISAで運用し、120万円で売却した場合、差額20万円に対し税金はかからないため、120万円手元に戻ってくることになります。
通常投資信託とNISAの使い分け
NISAは売却益が非課税になるメリットがあるものの、年間で上限が決まっており、それ以上の投資をしたり、キャリーオーバーした場合には、通常の投資信託とNISA枠の2本が存在することになります。
ここでは、通常の投資信託とNISAで同じ金額を所有していた場合で、それらの評価額が上がっている場合・変わらない場合・下がっている場合で、どちらを売約し資金調達をしたらいいのかを検討していきます。
ここでは、課税に関しを考慮したおすすめとなります。
今後、投資信託商品が値上がりする・値下がりするなど将来的な変化は一切考慮していません。
今後値下がりしそうだから課税をしてでも売却してしまう、値上がりしそうだからこのタイミングでは損切はしないなどの判断もあるかと思いますが、これらはご自身の判断で行ってください
評価額が上がっている場合
評価額が上がっている商品の売却の場合、通常の投資信託は課税対象となりますので、NISA商品の売却がおすすめです。ただし、毎月分配する投資信託をNISAで運用している場合、分配金が非課税になっていますので、必要に応じてその金額も考慮してください。
分類 | 課税有無 | おすすめ | コメント |
---|---|---|---|
通常 | あり | ||
NISA | なし | 現状だけ考えれば、課税による資産減少を防げる |
評価額が変わらない場合
評価額が変わらない場合、通常の投資委信託もNISAも売却益は非課税となりますので、受取額には変わりはありません。NISA金融商品を売却してもNISA枠は復活しないので、あえてNISA側を売却するメリットはないと思います。
分類 | 課税有無 | おすすめ | コメント |
---|---|---|---|
通常 | なし | 売却に伴う課税もなく、分配金も通常課税なため、NISAよりも優先的に売却してよい | |
NISA | なし | 売却時にNISA枠は復活しないので、NISA側を優先して売却する必要性はない |
評価額が下がっている場合
評価額が下がっている場合、通常の投資委信託もNISAも売却益は非課税となりますので、受取額には変わりはありません。NISA金融商品を売却してもNISA枠は復活しないので、あえてNISA側を売却するメリットはないと思います。
分類 | 課税有無 | おすすめ | コメント |
---|---|---|---|
通常 | なし | 売却に伴う課税もなく、分配金も通常課税なため、NISAよりも優先的に売却してよい | |
NISA | なし | 売却時にNISA枠は復活しないので、NISA側を優先して売却する必要性はない |
まとめ
住宅資金調達するにあたり、投資信託にかかる税金から、どのように対応するのがいいか、説明してきました。長い間投資信託をしていると、積み立て購入することはあっても売却自体は少ないので、税金について認識できていないケースもあると思いますが、こちらの記事が参考になれば幸いです。